2007年10月撮影
女優シリーズの番外編として、「作家の肖像」を始める。
今回の被写体である十時さんは、
女優さんですか?と訊かれる事が多い。
実際ごくごく稀に、女優として役を演じることもあるが、
彼女は基本的に、作・演出家として活動している。
ならば、これまでの女優シリーズとは少し目線を変えて
作家として被写体になってもらうというのはどうだろう?
作家として、というのがどういう感じなのかは
正直よく分からないし分からなくていい気もするが、
とりあえず、彼女の母校へと足を運んだ。
彼女は高校時代、演劇に熱中し
学校近くのマクドでよくミーティングを開いた。
そんな思い出を語ってもらいつつ、
彼女が好きな路地裏などを歩いてみる・・・。
そして、一日色々と歩き回った後、
「今日の思い出」を筆ペンで絵に描いてもらった。
ちなみに、彼女の劇団名は、彼女の台本上の
「・・・」という”間”の多さに由来するものらしい。
間、行間、余白、何も言わない時間。
言葉を紡いでいくのが作家だとして
劇の台本を書く人間は、
全てが言葉になると面白くない、とも思っている。
言語化されない部分が面白いのだと。
高校演劇の世界で高く評価された彼女は
これから何を書こうか、迷っているようにも見える。
過ぎていく日々の中で、彼女は何を「面白い」と感じ、
そしてまた「・・・」を、白紙の上に書き連ねていくのか。
その歩みはまだ、始まったばかりだ。
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